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暴れん坊

昨今はオーディオと呼んでいますステレオでございますが、昔はモノーラルと申しまして一つのスピーカーで音楽を楽しんだのでございます。

さらに昔の事になりますと蓄音機を用いましてレコード盤を聴いてたのだそうでございますが、電気を使わずに物理的にレコード盤の溝に刻んだ痕跡を喇叭で拡大して聴くと言う、究極のエコサウンドでありました。

レコード盤に音楽を刻むために歌い手さんや伴奏される方は逆に大きな喇叭の前で演奏して音楽を溝に刻み込んだんやそうでございます。
録音のことを「吹き込み」てなことを言いますが、まさに演奏をレコード盤に吹き込むように刻み込んだのでございます。
歌い手は手前に伴奏はその後ろへ控えて演奏しますと、その距離の差もレコード盤の溝に刻まれたのでございます。

時代は移り変わりレコード盤を電気で再生する電気蓄音機の時代を迎えますと、喇叭はスピーカーに取って変わりまして、スピーカーを鳴らすアンプが要るようになります。

そこで今回のお題に結びつきます信号とアース=グラウンドがいよいよ表舞台へ出て参ったのでございます。

ひとつの信号に対してグラウンドがひとつの言わば夫婦とは言いませんが、対になってアンプと言うお仕事をいたしましてスピーカーを鳴らしていたわけでございます。
音源は蓄音機時代と同じくひとつでございましたが、スピーカーの向こう側に音楽空間を聴いておりました。

信号には必ずグラウンドと言う連れ合いが要るのでございます。

試しに電源を入れっぱなしにして両チャンネルのピンジャックをゆっくり抜きますと信号側が先に離れますと問題は起きませんが、信号側がつながった状態でグラウンド=アースが離れた瞬間、二度とスピーカーから音が出なくなる程の雑音を聴くことが出来るのでございます。
信号という奴は誠にグラウンドという連れ合いなしには仕事をしないどころか訪ねた先を壊してしまうほど手の着けられない暴れん坊なのでございます。

暴れん坊を丸く治めるグラウンドとの一対の良好な関係は電気蓄音機が世の中に広がるほど長らく続いていたのでございますが、ある日を境にもう一つの信号が同居をすることになるのでございます。

と言いますのは、グラウンドは懐の深いお方でありまして、おふた方どころか調整卓というところに行きますと数えられないほどのお相手でもこなしてしまわれるのでございますのでもう一つくらい同居させても構わんだろうとなったわけで、ステレオ時代がやって来るのでございます。

しかし元々一対であったものでございますからして、同居される上にグラウンドがそちらのお相手もするなどとなりますとやはり割を喰うわけでございます。

信号と対になって働くのがグラウンドの役目ですので同居する側が行たり来たりするとグラウンドも合わせて行たり来たりしますのでアンプ箱の中にアース母線なる廊下があったりしますと、ぶつかったり避けたりせんといかんわけでございます。

同居した側に取りましても、対でなければスピーカーを壊すほどの生来の暴れん坊だと承知の上の同居であるにも関わらず、何故に対になるグラウンドを独り前与えられずに母屋の借り物で済まして仕事をさせらるのかと不機嫌になるのでございます。

そうなりますとお互いが遠慮をするのか、果てまた相手と関わりを絶とうとするのか、本来の音楽を鳴らす仕事を忘れて己が持ち分のチャンネルだけを鳴らしてお仕舞いにしようとするのでございます。

こうして左右のグラウンドラインが重なるステレオはいかにもスピーカーが鳴っている風になってしまうのであります。

昔のようにグラウンドと一対一で仕事をさせてくれるなら音楽を鳴らしてさしあげるのになと、信号は言っておりますが皮肉なことにスピーカーを鳴らしてしまうオーディオは我が身の保身のためでしょう、そんな声を一切出しませんのでマニアと呼ばれておる方々は音楽に口をつぐむ機器相手に今日もどこかで格闘されておられるのでございます。
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