スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

真空管の造り

時折テストに使っている真空管を誤って落とすことがあるのでございます。

硝子で出来ているので落とせば割れるのが当たり前と言えば当たり前ですが、頭がキユーピーさんのような小型のMT管は軽いせいなのかどうなのか落とせば必ず割れる玉子のようには割れずに済むことが多いのであります。

といってもやはり硝子ですので打ち所がわるいと、しばらくして目をやるとゲッターと言われる銀色の鏡のようになっている部分が白っぽくなってお亡くなりになっていると分かるのでございます。
お亡くなりなった球を良く見ますとたいがい硝子に小さなヒビが入っているのが見えるのございます。

この間、真空管の中身はどうなのかとお亡くなりになった松下の12AX7という真空管を分解してみたのでございます。
元々言葉通りのガラス張りですので、生きていた時と同じものが硝子越しでなく直接目に見えるわけですが、小さな金属細工が綺麗に切り抜かれたマイカ(雲母)板に支えられている構造がよく分かります。

銀色にするためのゲッターリングを切り落として、捻って抜けないようにしてあるプレートのリブの捻りを戻してやりますと、上側のマイカ板はきついながらも抜けるのでございます。

有るべき位置に金属細工が並ぶように小さな角穴や丸穴の開いたマイカ板二枚で挟んでいるだけの簡単な構造でございますが、上側のマイカ板の上にはもう一枚グリッドとカソードを下へ押さえる役目をするマイカ板が一緒に捻って止めてあるのでございます。
この押さえ役のマイカ板はL型の部分を造るためにその周りが綺麗に抜かれてあり、マイカ板のバネ性を利用してグリッドとカソードが抜けないように、またキツく固定しないようにしてあるのだと思われます。
上側のマイカ板をば二枚外しますと灰色のプレートの内側がメッキされているのか光っております。

ここでそれ以上外せなくなりましたので下側のマイカ板を同じように外します。
マイカ板自体は上下同じもののようですが真空管の脚がそれぞれの金属細工に細い金属でつながっておりますので、すべて切り離してやります。

下側のプレートのマイカ板を固定しているプレートのリブの捻りを解きますと一番おおきな灰色のプレートが(と言っても15ミリ四方位ですが、)取れまして二本の棒に支えられてまとわり付くような細い金属細工のグリッドと白い筒のようなカソードが出てまいりました。
グリッドは押さえバネのように隙間のあるスプリングを内側から二本の棒で支えるような構造でございまして、二本の棒には綺麗に並べるための溝が彫ってあり、そこへ螺旋状のスプリング格子の一部を膨らませて嵌め込んでから抜けないように丁寧にひとつずつ潰してあるのでございます。

金属板二枚をくっつけてカシメてあるプレートとは違いまして、このグリッドの造りは真空管の造りで一番美しいものであります。
物の本によりますとこの横格子の隙間から電子がプレートに飛んで行くらしいのですが、電子は目には見えないのでわかりませんが、そのようになっているのを横格子が上手く立ち回って飛んで行くのを止めたりまた飛ばしたりすることでグリッドに応じた電子の量をプレートに与えるのだそうです。
プレートに電子を飛ばす役目をしているのが上から見ると丸く並んでいる横格子のグリッドの中心にあるカソードでございます。
白いもので包まれた細い筒状のカソードの中には更に細くて白い金属線のヒーターが仕込まれているのでございます。

ヒーターは通電するとオレンジ色に光るので大変熱くなるもののようですが外側のカソードの内壁に直接当たらないように白い絶縁材に包まれているのでございます。
このヒーターを良く見ますとこれまた押さえバネのようにスパイラル状にクルクルと巻かれて上で折り返してまた下へ戻ってきているのでございます。

プレート以外はいずれも表面実装ICのハンダ付けに使っている実態顕微鏡でなければわからないのでございますので、その覗き見える細かな細工を目にした感激をも伝えたいなどと思うのですが、そちらの方は至って不調法ですのでご勘弁を願って続けるのでございます。

以上が小生がグレック オールドマンと呼ぶ松下の12AX7の中身でしたが、米国NLブランドの中国製のお亡くなりになった球が出てきましたので、此方も見てみることにいたしました。

上下のマイカ板は同じようにプレート、グリッド、カソードが定位置に収まるように抜いてありますが、松下にあったマイカ板を使った板バネはなく二本の柱状のグリッド支持棒の先を潰して抜けないようにしてあるようでございます。
ヒーターはスパイラル状ではなく細いまっすぐな金属線に絶縁材を塗布してから何度も折り畳んでから細いカソードの筒の中に入れたと見えて、上端と下端の折れ部の絶縁材が剥がれ落ちて金属線が露出しているのでございます。

この他にはプレートの内側が光っていないこと位の差しか松下と米国ブランドの中国製には無いのですが、その金属細工の細やかさが音に出るのかどうかはわからないのがオーディオの不思議なところでありまして、案外ぞんざいな奴が仕事が出来たりしますので、また落としてお亡くなりになった球があれば造りをご報告したいと思うのであります。
検索フォーム
リンク


QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。