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ダイレクトカッティング

オーディオの「音色」に限るとCDと比べてアナログレコードの方が時代の制約から圧縮されているために濃く感じます。
弱音部は強めにして小さな音が針ノイズに埋もれるのを避けながら強音部では音溝から針の飛び出しを防ぐためにダイナミックレンジを圧縮してあります。

スパイスを効かせて煮詰めたような味付けの趣です。
この味の濃さから音楽再生にはアナログレコードの方がデジタルより優るとされる方が多いのだと思います。

アナログレコード時代には不自然な濃さを脱するために45回転ダイレクトカッティング30センチレコード盤でリミッターやコンプレッサーを使わないアナログレコードが作られました。
ただ生楽器のダイナミックレンジをこれ見よがしに訴える為にパーカッションや打楽器を音源とするソフトが多く、演奏よりもサウンド色に軸足があったように思います。

コンプレッサー機器類を使わない自然な収録の流れはCDの登場で回転数を上げたりダイレクトカッティングに頼らずに実現すると思われましたが、逆にデジタル処理を用いてアナログ時代には考えられない多重化やエフェクターを多用する方向でリリースされてより不自然さを増しているように思います。

アナログレコード時代には聴いたことのない凄さをデジタルソースに持ち込んだので、ますますオーディオは不自然になってしまい、経験したことの無い「音色」のあるなしを音質判断としてしまうのではないかと危惧しています。
スタジオにあるモニタースピーカーは洗いざらい聞こえるだけの高精細大音量対応のラージとラジカセクラスでの再生を想定したスモールモニターで音造りされています。
「音色」だけで追い込まれているのでは空間再現は織り込まれず不自然さは増すばかりです。

欧州系のレコード会社がスタジオでなく収録するホールの別室にリスニング用のスピーカーとオーディオ機材を持ち込んで収録に臨んだり、敢えてまったく圧縮機器を排除して収録する日本のジャズレーベルがありますが、自然さゆえに一般化しないほど不自然な音造りに音楽ソフトは毒されているように感じます。

自然に聴こえるのは人間には普通のことなので、自然な録音スタイルに関心を持たないせいかもしれません。
刺激を求めて不自然さを好む性癖を持ったヒトという種にはインパクトに欠けて聴こえるのでしょう。
しかし自然な録音スタイルを採用して小賢しいことをせずに人を惹きつける演奏の再生こそが、リスナーを魅了し音楽はその姿を現すように思います。

オーディオは収録方法を自然な方向にして「売れる」ソフトより「良い演奏」ソフトに軸足を移さないと娯楽にはなりえても安らぎを得るものからは遠ざかっていくように思うのです。

少し極端ですが娯楽は暇つぶしに通じて「音質」を蔑ろにする働きを助長して生き方までもをつまらないものにしてしまうような気がするのです。
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