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じん六

「じん六」は雪の大晦日に年越し蕎麦をいただきに行った蕎麦屋さんの屋号ですが、オーナーの友人は貿易関係の国家資格を持つ才人です。
料理学校出身でもなく「蕎麦屋」で修行したと聞いていません。
彼が体得したのは美味しい蕎麦の育て方、挽き方、打ち方、湯への晒し方そして水の管理を極めたことのように感じます。
開店当初の毎夜2時間の浄水器清掃の様子を覗いた折には鬼気迫るものがありました。
すべての工程に情熱を傾けてお客さまに食していただいて美味しいと感じていただくことに着地点を持って作り上げています。
すべてが前例に倣わない蕎麦の味を極めた独自の方法が生み出す蕎麦は他のどのお店の蕎麦とは次元の異なるものになっています。

目的のために試行錯誤し工夫を重ねてトータルで見極めることこそモノつくりの神髄だと思うのです。
それでもやはり美味しさは個人の嗜好のものであるため自己流と聞くだけで評価しない方もあると聞くと蕎麦とは味なのか肩書きなのかと残念に思うのです。

彼の到達点を極める方法は小生のモノ作りに通じているように感じます。
電子工学を修めずオーディオ販売に携わった経験のなさゆえのあるべき姿への向かい方に似たものを感じるのです。
彼ほどの努力をしているのかと問われると耳が痛いのですが、少なくとも電子工学を学んだ方の作るものは家電品の域を出ていないと聴こえます。

歪み率やSN比の良化は音質を全くと言ってよいほど反映しませんし、人の感性に訴えかけるものは理論的なものを一見排除するところに肝心な部分があるように感じます。
今までの理屈を超えた部分にこそ感情を揺さぶる新しい理屈があると思うのです。

「じん六」の蕎麦が「一流」の手順だけで供されていたなら「一流」を超えることは無かっただろうといただく度に思うのです。
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