広瀬洋一著 西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事

テレビを見る習慣が無い拙は夕食時にはラジオを聴くことを常としております。
昨日もスイッチを入れると日本シリーズとかで野球実況放送が聞こえてくる。
野球に興味が無いのでこういうときはFMに変えてみるか、youtubeを聴くことにしているのだが、試聴のお客さまとさっきまで色々なジャンルの音楽を聴いていたせいかどうにも耳が受け付けない。
久し振りに音の無い食事をしていると、そう言えば東京のお客さまが本を上梓されて寄贈して頂いていたのを思い出した。
このところ新しい基板のデータ照合確認と基板組み上げに追われていたため回路図面の用紙の中に埋もれさせていたのを拝読させていただくことにする。

画像ブログ、ニュース用20131030 002-01

文章は氏の語り口調のままであり控えめではあるが読み入らせてくれる。
読み進むうちに拙と弊社の事が記されていることに気がついて少し驚かされる。
付箋とは思わずにいたのだがここに記してあるよと教えてくれていたのである。無視していた様な感じにも取られる行いの悪さを感じたが、過ぎたことは考えても仕方ないので先に進む。
その時は氏と「風信子亭」マスターの坂田さん、拙の三人で食事をしたのだが、まさにその時に感じた彼の人となりそのままの文章であり、堅実な生き方と関東人ぽいストレートな語り口が心地良かったことを思い出した。

木屋町三条の名曲喫茶「風信子亭」に「MODEL37Ⅱ」と「MODEL45」の導入を推してくださったのも著者の広瀬洋一氏である。製品の音質を評価してくださり、購入していただいた上に自称「弟子」の恩師さまに推挙していただき感謝に堪えない方である。
サブタイトル通りの古本屋さんの日常風景が記されているが、西荻窪という地にお店を開いて所帯を持ってこられた氏の半生記であり交友録でもある。
控え目な言い回しなのだが、右肩下がりの時代である2000年から古書店を営んで来られた自負に溢れており、その苦労もまた楽しまれていることが伝わってくる。氏が中心的メンバーとなられているイベントグループ主宰の「西荻ブックマーク」への情熱とその発展振りには「なにかの采配」の存在を感じさせてくれる。
懸命な人には「何か」がやってきて意図しないところで「何か」が起きるのだと良く感じるが、その「何か」に委ねることが大切なのだと良く思う。
失敗談や日々の苦労と共に人とのつながりや「西荻窪」という土地柄が描かれているのだが、考え、実践し、続けて行くことの大変さと喜びには拙の日々とも重なるものがあり共感させられた。
同時に人との接点の少なさに拙の側の改善点を見出だした本でもありました。

淡々とした中にも温かく緩やかな空気を感じさせてくれる本です。

「風信子亭」開店に至る経緯や氏の音楽とのかかわり、お気に入りのアルバム紹介もされておりますので、ご興味のある方はこちらに「西荻ブックマーク」の事や本の記事があります。
また本の雑誌のWEBサイトにも紹介されています。

森川七月

古くからの仲間であり弊社製品のユーザーにもなってくれた友人から随分前に素晴らしいジャズボーカリストが関西に居ると聴かされていたのが森川七月嬢でした。
これまた弊社製品を購入していただいている喫茶/ライブのお店「cafe de SOEN "双園"」さんに立ち寄った時に大津ジャズフェスティバルのプログラムをいただき、彼女の名前を見つけたのでその友人を誘っておきました。
当日は朝から雨でしたが、とんと彼女の京都でのライブは無いようなので、同じく製品ユーザーの飲み友達も誘い3人で浜大津に行きました。

彼女はジャズを歌うと実に雰囲気豊かでありながらポップスを歌うと物まねでなく自分の歌のように歌える素晴らしさを持っています。
更にTVアニメ「名探偵コナン」のオープニングテーマを彼女がボーカルを受け持つお嬢さん3人によるユニット「なついろ」が担当すると言うジャズボーカリストらしからぬ経歴をお持ちでした。
50年代のジャズレコードの音ばかり好んで聴いていて時代が変わっているのさえ分からないジャズファンに是非聴いていただきたい女性ボーカルです。

彼女のステージはジャズフェスには珍しく2回公演があり追っかけをしてしまいました。

大津市旧公会堂にて初めて生で聴かせて頂いたのですが、黒い衣装に身を包んで表れた彼女の歌声はストレス無くよく響いて実に良い感じでした。
MCはいかにも関西人ではありますが人懐っこさとさばさばしたところがあり幅の広さ感じさせてくれて聴き手を惹きつけてくれます。
そう言えばステージでブログ、ツイッター、フェイスブックなんでもしてるから「みんな応援してやー」と叫んでいました。
彼女の公式サイトはこちらです。

画像ブログ、ニュース用20131020 398-01

口先だけで歌う方が多い中にあって体の中からすっと出てくる彼女の声質は天からの授かりものだと思いました。
更にに2回目の琵琶湖観光汽船「ビアンカ」号の中でのゆったりとした曲目選択はそのコスチュームと合わせて素晴らしいものでした。

画像ブログ、ニュース用20131020 612-01

新基板の検証に頭が疲れていたのがいっぺんに吹き飛び、1回目の公演の後に拙と一緒に写真に収まっていただいたので意気揚々と京都三条に戻ってまたまた祝杯を挙げて帰路に着きました。

画像ブログ、ニュース用20131020 535-03
         久しぶりの美女とのツーショットに余計崩れています。


是非彼女の歌声をお聴きください。
彼女は同じリズムセクショントリオのメンバーと第一回目の大津ジャズフェスからずっと参加しているとのこと。
ライブに縁の無い場合には次回の大津ジャズフェスティバルに参加されて彼女の歌声をお聴きになられることをお勧めします。

セレッション SL6S

マグネパンSMGaを使っていた折りに当時ダイポールスピーカーの良さを説いておられたオーディオ評論家のF氏がコンベンショナルスピーカーとしてはダイポール型に近い鳴り方のする唯一のスピーカーであると記されていた記事を読んで試聴せずに導入しました。
SMGaも試聴せずに購入していたので、良い時代だったのでしょう。

興味津々でそれまで使ったことに無いサイズのスピーカーだったので、丁寧に箱から出して聴きました。
こちらの期待とは裏腹に余りに鳴らないので、すぐに床に置いてスピーカーを向かい合わせにして逆相ドライブエージングしました。
3日間ほど連続してかなりの音圧で鳴らして(逆相ですからくっつけている時は左右の差しかもれ出てきませんが少し離すと大きな音がしていました)から、音がこなれていることを期待してスピーカースタンドに戻して聴きました。

「素晴らしい」ことに全く梱包を解いた時と同じ音がします。
高さを耳の高さに合わせ、上板サイズをSL6Sに合わせてフライス加工で作った鉄製のスタンドを用意していましたが全く変わりませんでした。

「エージングで良くなる」とは心理的なもので、耳の側が慣れてしまうことを意味するオーディオ用語だと結果的に気づかせてくれはしましたが、その時はいつまで経っても「新品」の音がし続けたので元箱に納めてしまいました。

ただユーザー登録をした折り「にスピーカー側面に多数の製造時に付いたと思われる指先の跡があるがこれも縁だと思って使います。」と記したところしばらくして綺麗な物が送られてきました。
輸入商社さんの気遣いに感激した憶えがあります。
残念!?な事にこれもまた最初に手にしたものと同じ音がしたのでした。

メタルドームスピーカーに対して懐疑的になったのはSL6Sを購入してからかも知れません。
特性はソフトドームより良いようですが、特性の良さが人の感動を誘うとは限らないものであるところに真空管アンプとの相関を感じてしまうのです。

マグネパン SMGa

「10月のニュース」にハーベスと一緒にマグネパンのSMGaが写っています。

JBLの4インチダイヤフラムドライバー+大型ホーンと38cmダブルウーハーを使っていた時にダイポール型スピーカーを試してみるべく導入してみたものです。
結果はJBLシステムにオーディオ的な可能性と音楽的な限界を感じてしまい、オーディオに対する考え方が改まってしまって手放してしまうことになりました。

SMGaの最上位機種の導入を図りましたが、当時マグネパンの上級機はツィーターがリボン型になっていたためか音色に統一感がなくSMGa以上の良さがありませんでした。
一時はSMGaを強化すべく縦に二段重ねてみましたが、上手くいきませんでした。
斜めの姿勢になる脚を直立するようにフライス加工して作った脚に交換しています。

SMGaで感激したダイポールスピーカーの良さを求めてコンデンサースピーカーやリボンスピーカーを聴きに行きましたが、能率が低い上にジャズが上手く鳴らなかったり金属的な響きを伴っていたりしたためSMGaに落ち着いてしまいました。

コンデンサースピーカーのように低能率ではなく実に素直な音色であり、オーディオはプライスタグや機器への思い入れでは音楽にはたどり着けないことを教えてくれました。

アンプの音質追求には向かないところがありますが、大型システムの限界と独自のアイデアを世に出す教訓的な意味も感じさせてくれるので、記念碑的な意味を込めて今も置いているのです。

検索フォーム
リンク


QRコード
QRコード