〈現代アンプ私論④〉 「一つのグラウンドと二つの耳」

ステレオレコード盤の溝に落とした一本の針から左右二つのスピーカーから別々の音が出ることが驚きの発明だったため、初期の頃にはモノーラルアンプをもう一つ用意して聴くこともあったようです。
モノーラルアンプを二台使いにすると音量調節が二度手間になるために2連ボリュームを用いたステレオアダプターなるのものも商品化されましたが、その頃はレコードの作り手もステレオの本当の意味をつかんでいませんでした。
ステレオにはピンポンをしている音が入っているデモレコードが付いていたように音質より一本の針から左右二つの音が出る不思議さを売りにしていたのです。

オーディオを「音」の増幅機として見れば録音スタジオにある何十チャンネルのミキサー卓を見るまでもなく何チャンネルであってもグラウンドは一つで成立します。

しかし人の耳は「音」そのものを聴くためでなく、左右に二つ備わることで何万年もの間 毎日を生き抜くための捕食活動と危険からの忌避行動を支えてきたのです。

「音」そのものの分析もさることながら、音源との位置関係を一瞬にして空間的につかむために頭の両端に備わり個体の維持活動に携わってきたのです。
左右の目が視差を使って頭の中に三次元空間を構築するように聴覚も空間を三次元的に把握するために進化してきたのです。

動物たちの目は広範囲を見渡せるように頭部の両側に備わり、耳は体の一番高い部分にあって耳介を左右別々に音源方向に向かせられる様に頭の上に備わっています。
彼等は命をつなぐためのセンサーとして目や耳を発達させてきたことがうかがえます。
どれほどの範囲が見えていて、どれほど小さな音を聞き分けているのか知る由もありませんが人とは桁違いの感度を持っているのだと想像します。
人は頭脳を発達させてセンサーからの反射で生きることを止めました。
空間認識をすることで迂回して目的地にたどり着くことや次の行動を考えるようになったのですが、空間をつかむために目は横に左右並ぶ必要があり、左右の指向性をそろえるために耳介を固定する必要があったのです。

一つのグラウンドで左右の信号を担わせた「音」には本来左右別々に流れていなければならないグラウンド信号が混ざって干渉歪みを起こしています。
空間を把握するための耳はどこか違和感を感じてしまいます。
自然界にある音にはグラウンド干渉歪みが無いため無意識に空間認識をしていますが、グラウンド歪みのある再生「音」を聴いてしまうと空間認識を掴むことを放棄して「音」の分析に集中してしまいます。

これは人の脳が未知の体験や不自然さからくる違和感を感じると解析作用が働く仕組みを備えているためです。
空間認識を阻害されたオーディオの音では奥行きが感じられないので平面的に聴こえてしまいます。

一方「音」の解析作用に限らず人の頭脳は考えたり、分析して理解をすることに一種の快感を感じます。
小説や雑誌を読むのはそこからの情報で頭の中に一つの世界を構築する快感があるからです。
さらに同好の士と会話を楽しむ部分があり、自己の努力に対する思い込みもあります。

「音」の解析快感と「音」を介しての人付き合いの道具としてオーディオを楽しみながらも自己陶酔的なブランドやスペックの思い込みが絡まってしまうと以前の拙のようなオーディオマニアになってしまいます。
人は思い込みで幸せを感じるものですが、やはり聴こえてくる「音」に不自然さがあるとどこかうるささを感じてしまい、ある種のあきらめを持ってオーディオと付き合うようになってしまいます。

左右のアースを分離した音は自然の音と同じようにグラウンド干渉歪み無しに左右二つの耳に届くため違和感がありません。
この自然な「音」に触れてからは、好みの「音」云々に明け暮れた日々はオーディオの退潮を手助けしていたように思うのです。

次項では男ばかりのオーディオマニアについて記します。

〈現代アンプ私論③〉 「信号干渉と電源干渉そしてグラウンド干渉」

一つの電源で左右二つの信号を増幅するとアナログレコードの音溝のように互いに影響を及ぼし合います。
小出力アンプの電源は脆弱なものが多く、左右の増幅信号は互いの影響が大きく現れる傾向にあります。
大出力になればなるほど同じ出力で聴く限りその影響度合いは相対的に少なくなります。

真空管のように出力トランスが要らないトランジスターアンプは真空管時代では考えられないほどの出力が簡単に得られ、音質の劣化要因である電源を介した左右のチャンネル干渉の表面化を抑える効果を果たしました。
ステレオレコードのリリースとトランジスターの生産が重なった事で共に市民権を得たように広まりました。

家庭で使う音量程度の動作では真空管アンプと比べて高出力のトランジスターアンプは電源を介した左右チャンネル間の互いの影響を覆い隠してくれたのです。
「モノーラルレコードを鳴らす真空管アンプ」に対して、新しく世の中に出て来た「ステレオレコードを鳴らすステレオトランジスターアンプ」という図式はステレオアンプの低価格化が引き金になってコンポーネントオーディオブームを作るはしりになりました。

当時のハイパワー信仰はダイナミックレンジの拡大による迫力の向上がもたらしたためと考えられていますが、大出力になるほど実際の家庭でのリスニングレベルは左右チャンネル同士の互いの影響が少なくなる視聴環境になったことが相対的に音質を向上させたと見た方が良いと思うのです。
大出力のアンプに買い替えても(同じグレードでも後継機種はよりハイパワーになっていた時代でした。)リスナーはそれまでと同じ音量で聴くのが普通ですから、2倍の出力のアンプに変えると電源を介した左右チャンネルの干渉は相対的に半分に減ることになります。
結果的に音質向上を得られたのです。

アナログレコード時代にはステレオの音溝自体にクロストークがありましたし、ステレオカートリッジのチャンネルセパレーションも僅か25dB前後でしたから常に数%左右の信号が混ざり合っていたことになります。
左右のオーディオ信号が干渉しているような状態ではありましたが、トランジスターアンプの高出力化と電源の強化により音質向上を果たしてオーディオブームを後押ししました。。
カーラジオとカセットテーププレーヤー一体化したカーステレオが一般化する頃には多くの若者がレコードをカセットテープに録音して車で聴いていました。
アナログプレーヤーとステレオアンプ、スピーカーを中心にしてAM/FMチューナーとカセットデッキを持っていない若者はいないのではないかと思われるほど一般的になったのです。
驚異的な精度と特性を持つ超高級カセットテープデッキがリリースされたのもこんな時代でした。

そしてオーディオの更なる発展を担ったCDディスクとCDプレーヤーがリリースされました。

ダイナミックレンジ、SN比、チャンネルセパレーションのどれもが90dB以上の数値をもつCDはアナログレコードとはまさに二桁違いの特性を持っていました。
デジタル対応を謳ったアンプはハイパワーであり、強力な電源を搭載して新たな飛躍を期していましたが、残念ながらブームは程なく失速してしまいました。
アナログレコードにあった信号干渉が解決され、接続されるアンプも電源干渉による音質劣化に備えていたのですが、程なく「デジタル臭いサウンド」は悪い音の称号になってしまいました。

CDプレーヤーの出力が左チャンネル-左右共通グラウンド-右チャンネルという3線出力であったことが原因です。

一つの信号は一つのグラウンドで完結しなければならないという単純明解な電気理論を無視した規格はスペック通りのパフォーマンスを発揮できなかったのです。
共通グラウンドでは微妙は表現が無くなってしまうのです。

増幅回路のグラウンドとは人間の概念としての存在であり、実際のグラウンドと称されている部分は増幅回路の一部であるため増幅信号が存在しています。
増幅回路の一部をほかの増幅回路に接触させるなどありえない状況をオーディオ設計者がアース=グラウンドを0Vかつ0Ωと思い込んだ結果すべての機器に左右共有グラウンドを織り込んでしまいました。
アナログレコード時代には聴く術がなかったので仕方ないとはいえ、結果的にグラウンド干渉歪みを聴かせる事態を招いてしまったのです。

アナログレコードをより良く再生していた努力の及ばないグラウンド干渉歪みがオーディオブームを失速させてしまったのです。

確かにグラウンドを共通にしてもアンプの動作にはなんの影響もありません。
「音質」もまったく変化がありませんが、空間再現が出来なくなっているために奥行き表現がなくなってしまいます。

救いはデジタルオーディオ出力規格が設定され、デジタル/アナログコンバータを使った再生が出来るようになったことです。
デュアルコアD/Aコンバータによるデジタル音源の再生は左右アースの分離=グラウンドアイソレーションを成し遂げて本来のCDの音楽性をリスナーに届けることが出来るようになりました。

なぜグラウンド干渉歪みが奥行きや空間の再現にダメージを与えるのかは次項で述べてゆきます。

〈現代アンプ私論②〉 「便利版と1.5倍版」

ステレオレコードはモノーラルレコードの進化版というには無理があります。
レコード盤面の一本の溝二つの面それぞれに二つの音楽振動を刻み込んだものです。
SPレコード盤時代に考案された古いアイデアをLPレコード時代に実用化したものは一つの箱に仕切りを入れて分けて片方だけでも取り出せるようにした便利版のようなものです。

児童公園のブランコのように一つの支柱ベースに二人分の踏み板とチェーンを取り付けたようなもののため、一つが動くともう片方に振動感触が伝わる構造になっています。
クロストークと呼ばれるこの現象はレコード盤面にある物理的な制約であり、逃れられないものでした。

アナログ信号をデジタルデータに置き変えたCDディスクはステレオレコードの盤面が抱えていた物理的な制約を解き放ってくれました。
しかし左右信号の分離が進んだことで新たな問題が露わになってきました。

アナログのレコードカートリッジやテープデッキヘッドはまがりなりにも左右チャンネルが分離されていました。
各チャンネルの音楽信号を拾い上げていましたが、CDプレーヤーの出力は左右チャンネルの信号が分離されたにもかかわらずグラウンドが共有となったがためにアナログレコードにはなかった不都合が露わになってしまいました。
ステレオレコードがモノーラルの便利版であるなら、さしずめCDは信号とグラウンド一組のモノーラルにもう一つ信号を足したモノーラルの1.5倍版なのです。

扱いが簡単で車でもかけられるCDは瞬く間にアナログレコードにとって替わりましたが、音楽再生に必須である「左右アースの分離」ができないために音質的に納得のいかないアナログ回帰派とCD擁護派に分かれて音質云々を述べあうことがよく見られました。

アナログ回帰派はCD化に伴う標本化(44.1kHzサンプリング)と量子化(16ビット)により20kHzから先の高周波音楽信号が切り落としたように無く、それ以下の信号も65.536段に丸められてしまい、より細かな微細な表現が出来ないCDでは良い音が出ないと断言して、アナログレコードでなければ音楽は鳴らないとしました。
CD擁護派は実際のレコード盤には20kHzも刻まれていないことや、ダイナミックレンジが狭いためにリアルな音はレコードからは出ないと主張して、より高規格スペックになればデジタル音源の真価が発揮されるという幻想を抱いていました。

どちらもアナログレコードが抱えている信号干渉とCDプレーヤーが抱えているグラウンド干渉歪みという音楽に深い関係を持つ項目をまったく抜きにして騒いでいるのでした。

アナログレコードの良さは左右信号の不可分さによるグラウンド干渉歪みの非顕在化ゆえの耳障りの良さであり、デジタル音源で顕在化したグラウンド干渉歪みによる耳当たりの悪さの解決をハイスペックデジタル規格への幻想で補おうとする動きは共に現在存在しているグラウンドの問題を避けている点でまったく同じです。

デジタル音源のハイスペック化はすでに始まっていますが、ハイビット、ハイサンプリングを良しとするようなワンベクトル指向のものはどの分野であろうと途中で空回りするものです。
拙にはどんなスペックが最適なのかは分かりかねますが、少なくとも65.536段が16.777.216段や4.294.967.296段にまで細分化されても鼓膜というローパスフィルターが人の耳に存在していることや、48kHzや96kHzの超音波域は聴こえないことを考えると「無いものを売りつける」ある種のビジネスとの相関を感じたりしております。

左右アースを分離したデュアルコアD/Aコンバータによるアナログ復調だけが本物のステレオ再現であり、デジタル音源の真価が表現できることを記して次項に続けます。

〈現代アンプ私論①〉 「真空管とトランジスター」

その昔、大衆娯楽と政治プロパガンダの道具としてラジオとトーキー映画はなくてはならないものでした。

真空管はその立役者として大活躍した電子素子の祖です。
送受信機の心臓部として発達してきた真空管は当時米国の国策となっていた映画産業拡充のためより大出力アンプが求められ、呼応するスピーカーは高能率化が求められました。

一方もっと昔からSPレコードを鳴らしていた蓄音機は真空管の登場により電気蓄音機にその役を奪われ、演奏時間の長いLPレコードの登場によりSPレコードと共に一時代前のものになっていきました。

盤面に切り込まれた音溝から物理的に音を拾い出してメガホン構造で拡声していた蓄音機に替わって、針先が拾い上げた音溝の振動を電気信号に変換し、増幅してからスピーカーで聴く電気蓄音機はやがて音溝に小さな工夫をして二つの音楽信号を刻み込むステレオレコードが発明されるとステレオ電気蓄音機となっていきました。
(電気蓄音機と呼んでしまうと古いもののようですが、オーディオという呼び名も昭和2年発行された雑誌の復刻版に「オージオアンプリフアイヤー」との語彙があります。)

ステレオレコードが普及する頃には増幅器の主流は真空管からより小さく、壊れにくい新しい電子素子トランジスターに変わりました。
トランジスターアンプの音質が真空管アンプの音質を凌駕するものであればモノーラルレコードと共に真空管アンプも過去のものになったかもしれませんが、製造コストとスペースファクターの優位性しかなかったために真空管アンプは途切れることなく続きました。

トランジスターアンプはコストとスペースファクターに優れていましたが、音質で支持された訳ではありませんでした。
軽くて小さく寿命の長い新しい素子に国内メーカーがこぞって参加する頃にはFM放送やカセットテープデッキが音源に加わりオーディオはブームになりましたが、音質的な向上を果たせなかったことから退潮が始まったことは残念に思っています。

一方真空管の国内生産は終了していましたが、東西冷戦時代が終わるとロシアや東欧、中国から新品の真空管が国内に入って来るようになりました。

現在も真空管は生産されていますが、電子素子ではあるものの、その仕組みは機械的な作り込みによって構成されているという点で今も他に置き換えられるものがないのです。

半導体を使わずに金属と絶縁体の組み合わせだけで電圧増幅をするという仕組みが奏でる音調はトランジスターでは得られないものになっています。
真空中に放出した電子を制御する電極そのものが音質を左右するために同一規格でありながら「音色」の異なるものが存在しますが、趣味での楽しみを広げる意味で肯定的に捉えて良いと思っています。

現在生産されている真空管はオーディオ用途がほとんどであるため電極の持つ「音色」まで追求されているとの案内を読むと産業用に生産されている半導体との音質差は広がるばかりかも知れません。
MOSFETアンプを試作した折にオーディオに使える素子が初期のものに限られたことからこの先も半導体で音質の良いものは数少ないのではないかと感じております。

拙論ではございますが、<現代アンプ私論>にお付き合いください。

「Recording at Minton's House」

拙が製品開発とお客さまへの試聴に必ずと言ってよいほど使っているジャズボーカルの谷本久美子嬢とギタリスト市川 強氏のデュオCD「Recording at Minton's House」を入手してきました。

画像ブログ用久美ちゃんCD 005CD2

それまでも聴いていただいたお客さまの入手希望があれば彼女に連絡していたのですが、今回は「もう無くなりました」との返事がきました。
「完売おめでとう!」とは答えたものの、さて困りました。

どこかに在庫があるやもしれないので探してみますとのこと。
ひと月後にやっと「CDありました~」と連絡が入りました。

彼女は京都の「藤ジャズスクール」でボーカル科の講師もされているので約束の時間に教室へ行ってきました。
教室の下の階は校長の藤井貞泰氏が経営されている喫茶店になっています。

画像ブログ用久美ちゃんCD 001店内
ハンドメイドの御影石のスピーカースタンドにPMCのスピーカーが載っています。

実際には入り口側半分はスクールの事務所になっています。
訪ねた時には藤井校長がおられました。
最初に「録音をさせてください」とお願いしたのはPCM+βビデオデッキの頃でしたから随分昔のことになります。

久美子嬢の写真も撮っておこうとしたのですが、「今は撮んといて!」との返事。
「今はちょっと太ったから、痩せてからにして~」といつも彼女の言葉は続くのですが、確かにステージではなく、学校のパソコンの前で事務作業をこなしている姿はご卒業された頃とは失礼ながら僅かに違うような気がほんの少しします。
彼女の声には独特の「甘味」があり、自然体で歌う弱音部の音の抜けに魅力を感じています。

このCDの良さはマルチマイクを使ったミキサー録音ではなく、金田式ワンポイントマイクとR-DATだけで収録されていることです。(中ジャケに僅かにDCマイクが写っています)
そのために弊社のデュアルコアD/Aコンバータとデュアルモノーラルアンプで再生すると収録したお店「Minton's House」の空間ごと再現されます。
その得難いほどの生々しさは左右アースの分離=グラウンドアイソレーションで発揮されるのでデモンストレーションには最適なのです。
さらに閉店後のお店を借りての収録なのでカウンタードアの動く音や前に止まった車の音、居合わせた人が不用意に出してしまった音など色々な音が機器によっては聴こえるので試聴に使うにはとても都合が良いのです。

この部分を強調し過ぎると「私の歌はどうなのよ!」とつっこまれますのでこの辺にしておきますが、得がたいソフトであると思います。

もう残り僅かでまったく無くなるようなので興味を感じられた方は弊社にご連絡下さい。
まだあるようであれば段取りさせていただきます。(送料別1枚2200円です)

高槻ジャズストリート③「反省」


どうしたことなのか噴水広場のライブステージも出音が歪んでいました。
どうもイベントの規模にP.Aのレベルが追い付いていないように感じるのですが、大多数の人達はそんなことを気にもとめていないようですので駄目出しばかりしていてはいかんなと少し反省しました。

毎日ライブをしているお店は出音が安定しています。
そこはジャズストリートで一番座り心地の良いソファーがあるのでまた駅の南側に移動しました。

人気のあるユニットの演奏なのでしょう。
着いたお店の前にはお客さんが大勢集まっています。
ドアの向こう側には背中が並んでいてとても入れません。
さらに中に入れなかった沢山のお客さんが硝子窓を覗き込みながら聴いておられます。
遠くから覗き込むと綺麗なお姉さんが歌っておられました。
女性ボーカルのユニットは集客力抜群だとまたも感じ入った次第です。

少し待っているとステージが終わりドアが開きました。
まるで満員のバスが観光地に着いたかのように沢山のお客さんが出てこられて空いた店内に入ることが出来ました。

座り心地のよい席を確保して食べ物と麦酒を注文しました。

次のユニットの演奏が始まると、どうしたのかピアノの音が届きません。
アルコールの助けもあり生BGMも良いものと聴いていると、いつの間にか寝入ってしまいました。
昼間から麦酒を頂き、心地よくお店のソファーでうたた寝ができるのもジャズストリートならではです。

ソファーに埋まっての夢見心地をサックスの音色に破られました。
寝入らせてくれたユニットのステージが終わり、次のユニットの演奏が始まっていました。
このユニットはジャズを奏でてくれました。

ブログ用画像20120810 008カルテット

ピアノ、ベース、ドラムスのリズムセクションにサックスのカルテットはジャズの楽しさを伝えてくれました。
表情が明るくそれぞれの楽器を軽快に弾きこなしてジャズを聴かせてくれます。
聴衆も拙が入る前のようにいっぱいになって入れなかった人が窓越しに聴き入っておられます。

ブログ用画像20120810 035カルテット2

ジャズストリートに来られるお客さんはユニットやミュージシャンをよく知って会場を巡られているようです。
拙のように適当に会場に入って当たりだの外しただのと思っている人ばかりであればどの会場も同じような客の入りになるように思うのですが、空席が目立つユニットと満員になるユニットがあるのは情報に精通されているように思うのです。
毎日ジャズライブをしているこのお店の常連客さんが多いだけなのかもしれませんが、クローズド空間に満員の聴衆が入っているライブもまた良いものです。

聴き入っているとすぐにユニットの持ち時間が来てしまいました。ジャズストリートでは有名どころもアマチュアクラスも同じ時間しか与えられていないことに今更ながら気付きました。
当たりのライブが聴けて良かったと思っていると「CDを持って来ているので買ってくださーい」と呼び掛けるので一枚買って帰ることにしました。

ブログ用画像20120810 009CD

残念ながらこのユニットのCDではなくベーシストのお姉さんが加わっているものばかりでしたが、どこかのお店の中で収録したと説明してくれたミュゼット楽団ものを選びました。

夕方になるとより寒くなってきたので良い気分になったところで帰路につきました。

まだまだ聴いていたい気持ちもありましたが、良い気分が削がれる前に京都に戻ることにしました。

ちょうど居酒屋タイムなのですが普通の居酒屋さんに最近魅力を感じなくなっています。
チェーン店の居酒屋さんだけでなく、そうでもない居酒屋さんも仕入先が似たようなところなのかどこも同じような味がするのです。
それではやはりお気に入りのお店でとなってしまうのです。

帰ってからプログラムを見直すとあるユニットを聴き逃していたことや、聴くべきだったと感じるユニットを見つけたり、はてまた高槻ローカルグルメを中心に野外で行なわれていたらしいジャズスト「食祭広場」の案内を見つけたりしてもっとよく見て動かないといけないなと反省しました。

また来年のジャズストリートも晴れることを祈っています。

蛇足ですが、今年で15年目になるジャズストリートですが、5年もすれば「昭和」のリタイア組ジャズファンとサポートをしてくれている「平成」世代の関係が変わってしまうように感じました。

若いジャズファンがイベントをきっかけに増えてくれることを願っています。

高槻ジャズストリート②「昭和」

途中に教会がありました。
表通りはジャズストリートの人波ですが一歩中に入ると数人のシスターがイベントなど知らんぷりといった感じで立っておられました。
ここでも演奏があると記されていますが、敷居が高く感じました。
「隠れキリシタン」の弾圧を描いている絵が入り口横に飾ってありました。
江戸時代の装束をまとった役人と磔にされている人々が描かれているのですが、写実的に油絵で描かれているためにどこか欧州の風情のために日本の出来事のようには感じないのです。
見る側に妙な刷り込みがあるのかも知れません。

教会の演奏はまだ始まらない時間だったので阪急駅方向に進みました。

人波は阪急高槻駅の南側と北側で変わるようです。
道幅の違いのせいでそのように感じるのかもしれません。
二階にある会場の窓の下をバスが通るのが見えた時になにかトラブルがあって迷い込んだのかと思ったほど駅の南側の道路はどこも狭いのです。
道幅いっぱいを使ってゆっくりと通り抜ける路線バスを上から見ているとなぜか子供時代の「昭和」を感じさられました。
駅前なのにバスターミナル風の広場が無いのか、あるいはイベントのせいで仕方なく迂回路になっている細い道を走っているのかもしれません。

そのお店にお昼ごはんを期待して入ったのですが、イベントメニューなのか乾きものしかありませんでした。
イベントスポンサーの麦酒とジャーキーを頼みました。

ほどなく3人組が現れてブルースを演奏し始めました。

ブログ用画像20120810 018ブルース


演奏が始まると音に誘われたと思われる人達がどんどん入ってきて大盛況になりましたが、懸命に叩くドラムに負けないようにギターアンプとベースアンプが唸り、さらにボーカルP.Aの大音量が重なるという拙には「ツ・ライブ」になってしまったので退散することにしました。

一方駅の北側はアーケードのある商店街や歩道のある道が通っています。
この辺りすべてがある意味目的地なので耳の痛さを回復すべく物見遊山気分で歩いてみました。

十数年前に大阪辺りで遅くまで飲んでしまい阪急で京都に帰ろうと慌てて終電車に乗ったのですが、高槻駅終点とのことで降ろされてしまいました。
停まる前に「この電車は最終高槻止まりです」とのアナウンスがあったので、どうして京都に帰ろうかと思っていると乗っていたお客さんがホームに出た途端一斉に走り始めました。
面食らって駅員さんになにかあるのかと尋ねると「JRの京都方面行き終電が数分後に出るのでみなさんその列車に乗って帰られるのだと思いますよ」との返事。
どこにJR駅があるのか分からないままダッシュで走っている人たちの最後尾を追いかけて走ったアーケードがおそらくここだったのだなと思い出しました。
乗り遅れては大変と走って、走ってJRに飛び乗った時には酔いがすっかり醒めていたのでした。

よく見ると少し時代ががかった周辺都市によくある駅前アーケード街でしたが、公設市場のようなお店にふと立ち寄ってビックリしました。
拙がいつも買っている値段の半額位で沢山の食材が売られています。
トマトなど1箱入って350円です。
う~んやはり大阪は安い!と思いましたが、高槻はどちらかといえば京都寄りの地なのです。
店内は小さなスーパーとも中で繋がっていて、こちらは当地と同じような値段がついているのにこちらもお客さんが入っています。
なんか不思議でした。

開け放ってライブをしている所もあり色んなジャンルの演奏が聴こえてきます。
学生時代に聴いていたフォークソング風のユニットも懐かしさを求める人達で埋まっていました。
これも「昭和」を感じさせてくれます。

どうもジャズストリートに集っているのは拙の年代より上と思われる沢山の「昭和」のお客さんと段取りをしている若い世代のスタッフとボランティアに二分されているように思いました。

阪急高架下は音響機材やスタッフが充実していて安心して聴けます。

ブログ用画像20120810 027オペラ


ジャンルはプログラムにはエトセトラとありました。
演奏会衣装?を身に纏った声楽のように歌うボーカルのお姉さんが綺麗な歌声を聴かせてくれます。
暫く聴き入っているとガードマンさんが通路では立ち止まらないようにと追い立てるのでまたも移動しました。
高架下は機材も優秀で、出音も確かなのですが、聴衆の聴ける場所が狭ますぎると思います。
赤い三角コーンと黄色と黒の連結ポールを通路確保と会場分離に使わず、車道の一部を仮設歩道設置のために使えばかなり聴衆が増えるはずで、歩行者も歩きやすいと思うのですが許可が出ないのかもしれません。

やはり野外だと思いなおして百貨店の屋上の会場に移動しました。
ゲームコーナーや屋上遊園地の風景を目にするのは何十年振りです。
置いてある遊具機材も何十年もそのまま置いてあるかのような風情にまたも「昭和」を感じました。
百貨店内部もなにか時代がかっているのです。
このジャズストリートも地域の町興しで始まったように聞き及びますが、「昭和」を一新するほどの活気が普段は無いのかも知れません。

そんな屋上のステージにはビッグバンドの面々が並びボーカルのお姉さんが唄っていました。
ステージ前の席は埋まり立ち見の聴衆が壁側を取り囲んでいます。

残念なことにボーカルのP.Aが完全に歪んでいます。
些細な部分にダメ出ししているのではなく、完全に割れたままステージで歌い続けているのです。
聴くに耐えないので又も退散しました。

「平成」になってからのイベントに参加して「昭和」を感じさせてくれたのが何にかしら変でした。
拙には「昭和」センサーと「昭和」の刷り込みがあるせいかもしれません。


高槻ジャズストリート①

ゴールデンウィークに毎年恒例の高槻ジャズストリートに行ってきました。

ブログ用画像20120810 010パンフ


10:00からとのことでしたので、11:00前にはに高槻に着きました。
駅前で配られているパンフレットを手にしてどう聴いて廻るかと思案するのも楽しみの一つです。
表紙には10:00からとなっていますが、中を見るとどのプログラムも12:00あるいは13:00からとなっています。
おかしいなと思いながら良く見ると高槻城跡公園だけは午前から演奏があるようです。

やはりジャズストリートはお祭りなので大きなステージと飲食が出来る城跡公園に行きました。

ブログ用画像20120810 011パンフ中


プログラムは縦軸が時間帯、横軸が会場になっています。
穐吉敏子、中本マリ、リー・コニッツなどの大御所は名前だけでわかりますが、700以上も参加しているユニット名などではさっぱりジャンルやメンバーがわからないので、プログラムふられた番号を頼りに中ほどに記されたユニット名でジャンルやミュージシャンを見ます。
聴きたかったミュージシャンが当日演奏しないとわかって少し残念でしたが、沢山のミュージシャンが参加しているのであたりをつけて会場を回ります。


ブログ用画像20120810 012公園

プロやセミプロばかりではなく中学や高校の吹奏楽部のエントリーもあり沢山の楽器を手にした人達がいました。

ブログ用画像20120810 015公園2


椅子とテーブルのある場所はすべてお客さんで埋まり、周りの芝生もレジャーシートを広げたグループでいっぱいでした。
食べ物を販売しているところはどれも長蛇の列でお祭りらしさを感じさせてくれます。
当日は天気に恵まれてまさに行楽日和でしたが、気温は3月下旬から4月上旬あたりだったようでかなり寒い日でした。

この会場周辺は大きな会場があるのですが、いずれも長蛇の列でした。

多分宇崎竜童、リー・コニッツを目当ての人達なのでしょうが、どのプログラムも1時間ごとに変わってしまうので並んでいては他のプログラムが聴けなくなります。
お昼になったので、食事と麦酒がいただけるお店を探して他の会場に向かいました。

ジャズファンがこんなに多いとは信じがたいほどの人波をかき分けての移動に何故にジャズ喫茶が無くなってしまったのかと感じてしまいました。
しかしこれだけ沢山のお客さんを集めてイベントとして運営されているスタッフやボランティアには頭が下がります。


Classic Club「風信子亭」の新しいオーディオ機器

京都の新しい名曲喫茶「風信子亭」(ひやしんすてい)さまのステレオ機器に弊社製品のデュアルコアD/Aコンバータ「MODEL45」と真空管ハイブリッドプリメインアンプ「MODEL37Ⅱ」が採用されました。

風信子亭アンプ


「風信子亭」主人の坂田博見氏から早急に購入をしたいとのメールが届きました。
弊社製品はすべて受注生産のため、実働20日間の納期を頂きたい旨と、「風信子亭」にて直ぐにご入り用ならば納品までは試聴機をお使いくださいとのメールをお返ししました。
お電話を差し上げるところですが、携帯禁止の「風信子亭」の主人がお客さまの前で携帯に出られても良くないだろうとメールにしたのでございます。

この冬に「MODEL45」と「MODEL57」の試聴をして頂きましたが、「MODEL37Ⅱ」の試聴はしていただいていませんでしたので、もしかすると「MODEL37Ⅱ」と「MODEL57」を思い違いされているのでは?との思いからご指定の日時に「57」も載せて行きました。

満面の笑顔でお迎えくださり、「わざわざありがとうございます」の挨拶もそこそこにすぐに聴いて頂くことになりました。
「MODEL45」を先ず繋いで頂き、「MODEL37Ⅱ」を箱から出した時に「こんなに小さいの?」との感想が口から漏れました。
初見であることが分かるとなにやら不安に襲われました。
一度も聴かれたことが無いようなのです。

店内の機器はいずれも「どれも聴いて選び抜いたものです」との主人の言葉にそぐわない状況での音出しに相成りました。
果たしてどんな言葉が口から出るのか?

風信子亭スピーカー


楽曲が始まると再びの満面の笑顔!
こちらが安心した瞬間「素晴らしい!」と仰って頂きました。
人並みはずれた聴覚記憶をお持ちで「聴楽師」(ききし)と称されている主人に認められました。
なんでも「風信子亭」のお客さまからの推挙があったので「MODEL37Ⅱ」に決めたとのこと。
ありがたいことです。お客さまに感謝します。

「37Ⅱ」の内部照明と「45」のパイロットランプのカラーをピュアグリーンLEDとしたものを納品させて頂くことになりました。

「風信子亭」に寄られた折に「MODEL37Ⅱ」が掲載した写真通りのオレンジ色に光っていたなら、まだ試聴機のままですが、緑色に変わっていればご注文を頂いた「MODEL37Ⅱ」なのです。

名曲喫茶ですが、主人が良いと認めた音源は「音楽にはジャンルはない」と言われるだけあり、ジャズやポップスの名盤もありますし、音楽に縁のある映画のディスクも網羅されております。

是非「風信子亭」に脚をお運びください。
今のところ、まだお客さまが多くないようですので他のお客さまに遠慮することなく店内に置かれた気になるディスクのリクエストやマスターお薦めのソースを尋ねれば応えて頂けると思います。

風信子亭棚.


主人のその時の感想は4月27日付けの「Classic Club風信子亭」のブログ「三位一体」に記されていますのでそちらも是非覗いてみてください。

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