新しいオーディオ

オーディオとはリスナーの眼前に演奏会場の空間が広がるものです。
演奏会場の「音」の再生ではないのです。

演奏会場の音を響かせるオーディオはPA=パブリックアドレスやSR=サウンドリーンフォースメントと呼ばれておりますが、拡声器は音楽を再生しているのではなく現場のサウンドを増幅しておるのでございます。
同じように音楽音源をリリースするためのスタジオ機器類はサウンドのアラ探しをするための機器ですから心地良く聴こえては細部のチェックが出来ないので耳あたりが決して良くないのが特徴となっています。
こう言ったプロ用の業務機に対して耳あたりの良い民生機が家庭用オーディオ機器なのですが、高級機は業務機の系譜としての権威を唱い、普及機は家電品としての値ごろ感を訴えたりしております。
残念ながら共にステレオ機器として設計されているためにクロストークを内在しておるのでございます。クロストークは不自然な鳴り方をする原因ですから音質を訴えるまえに欠陥を無くさなくては「音質」が嘘の上塗りになってしまうのでございます。

クロストークが皆無のグラウンドアイソレーション機器は左右のスピーカーの間に演奏空間を生成させます。
既存のステレオ機器で云々される「音色」とは次元の違う働きをしておるからですが、「音色」を突き詰めれば演奏会場にいるような音質になるとの錯覚や誤解があるためオーディオファンほど「音色」に固執したりされたりして一喜一憂を繰返してられます。クロストークを内在している既存のオーディオではどれほど突き詰めても演奏会場にいるような感覚を味わうことはできないのにです。

音色の好みとは関係なく部屋の大きさを超えた演奏会場を再現するためにも、とても大きな空間を感じるためにもクロストークはゼロでなければなりません。
なぜなら人間は空間を左右の耳に届く音に僅かにでもクロストークを感じると不自然さを感じ取るからです。
クロストークが無いグラウンドアイソレーション機器は「音色」では辿り着かない世界へリスナーを運ぶ音楽のための機器なのです。
新しいオーディオとは機器の「音色」ではなく音楽を演奏空間ごと楽しめるゼロクロストークの世界を指しているのでございます。

友人のスピーカー


時折小生の話に出しておる友人がです、オークションで手に入れたスピーカーを小生の元に送って来るのでございます。
何故自宅ではなく拙の方にに届くのかは本題ではないので進ませていただきます。今度届いたものはドイツ製のようですが、スピーカーユニットはすべてフランス製というものです。
昔趣味で自転車に凝っていた頃からフランス製のものは形も悪ければ機能不全もはなはだしい代表格でした。
ブレーキはけたたましい音は出るもののなかなか止まらない。チェーンホイルはゆらゆらと左右に振れる。振れると当然フロントディレイラーの羽根に触れる。触れるとディレイラーレバーを微調整を強いられる。リアディレイラーはマルチスプロケットの外側はリターンスプリングの力が弱くてなかなか入らない上に内側に送るとチェーンプーリーガイドがスポークに当たるばかりでやはり入らないので両端のスプロケットだけは減らないという「恩恵」を受けるなど散々なものでしたからフランス製ねぇとなるわけでございます。
しかしこのフランス製スピーカーユニットの音質は只者ではないのです。只者ではないと思うのでと落札を奨めた話に乗ってくれた経緯もあって届いたスピーカーなのです。
こやつは素晴しい表現力を持ちます。音楽文化の決定的な違いを感じさせてくれ、耳から入った音楽が心に染み入るような感じがするのでございます。階を離れて聴くとオーディオが鳴っているよりも演奏しているかのように聴こえるのには参ってしまいました。
これは素晴らしいとなるわけです。拙も欲しいとなるわけです。しかしどう探してもどこにも無い!見事に資料も何も出てこないのでございます。
オーディオに限らず知っている人はかなりの人に昇るほど誰でも知っている大会社の製品なのに出てこないのです。逆なのでしょう、あの会社がこんなものも作っていたのかと思うのが普通なのでしょう。
そんな訳で入手の難しい友人のスピーカーが彼の元へ帰るまでは楽しませていただくことにしたのです。
いつ出て行くのかが本題でして、持ち主のかのそば屋じん六の主人は骨折入院リハビリ中なのであります。リハビリが延びれば延びるほど小生の元に居るわけでございます。
入院に至る経緯はまたの機会に譲るとしまして、今回はこのあたりで。

しかしスピーカが視覚に入らないほど左右に広げて鳴らしてもスピーカーの無いところに演奏空間が出来るさまを聴いてしまうとこれ以上に再現力のあるものは無いのではと只々関心するのでございます。

毎日明日へです。


さて新しい年が始まりました。国内は震災復興と放射能汚染除去、海外では世界的な通貨不安の波に飲み込まれてしまうと言った声ばかりが聞こえてきますが、人はどんな事があろうと目先の生活をこなして毎日明日に繋げるようにして生きて行かなければならんのです。
ますます趣味の世界の製品は売れなくなると諭されたりしておりますが、生活に追われれば追われるほど安らぎと癒やしが必要なのが人間でございます。
音楽の役割はさらに求められるでしょう。オーディオで言えば「音色」で惹きつけはするものの音楽を再現できない旧来の「ステレオ機器」では役にたたなくなると見ています。
凄さをアピールするハイエンド機はますますその凄さを誇示して非日常生活を彩るのでしょうが、普通の機器を大切にする人のものは要らない凄さが不必要なので音楽性のあるものだけが支持されて行くと思うのです。
グラウンドアイソレーションこそが音楽性の要なのでデュアルモノーラルアンプとデュアルコアD/Aコンバータの重要性が評価される年になると思うのです。
「音色」の「良さ」は激動の年の安らぎにはならないと見ておりますが、まだまだ「音色」だけで癒される人が多数を占めるなら人々の暮らしも安心なのだとしてこちらはただただ毎日明日へ繋げるようにするのでございます。

新年

あけましておめでとうございます。

2012年が始まりました。昨年は3.11の大地震が全ての年でした。自然の営みに人の文明がいかに非力であるかを知らされ、人の知恵がいかに欺瞞を覆うために用いられていたのかを知らされた年でした。

富の集積に血道を上げる人間の存在がすべての人を苦しめていることが見え始めた年でもありました。
我が力で成した努力の結果が富の集積だとされていますが、この地球の上で作られたものをそこに生きる人々に必要な分を分け与えてこそその努力は認められるものだと思います。
ものを作らずにお金でお金を売買して巨利を得るシステムを作るのは、人が人を売買することに似ているような気がしてきました。

昨年はリリースまでに一年半かかったピュアデュアルモノーラル真空管プリメインアンプMODEL57が完成してMJテクノロジー・オブ・ザ・イヤー真空管部門に入賞できました。

今年はMODEL57の音質を支える「RNS」=リターンノイズスプリッターを生み出したMODEL1XシリーズのRNSバージョンを新リファレンスシリーズとして訴えながら、MODEL5Xシリーズの拡充を図る予定です。

小生の拙いテキストを読んでいただいているみなさま今年もよろしくお願いします。
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